マスコミへの不信感というか

 前々から書こうとは思っていたけど、長くなりそうだし面倒だなぁと思っていたので書かないでいたのだが、このままだと忘れかねないので書いてみようと思う。


 先日、金英男さんの会見があった後、2ちゃんのスレをちらちらと見ていて驚いたのだが、横田めぐみさんの遺骨問題というのは意外に複雑な様相を呈していたらしい。意外にも、というのは、この事件は僕の中では北さんの猿芝居でFAという状態だったからだ。それは「土葬が一般的な北朝鮮で火葬というのは異常」といった状況証拠もさることながら、帝京大学の教授が鑑定の結果、「別人のもの」と断言したその科学的根拠があってこそのものだった。
 が、その後、この鑑定に関してはイギリスのネイチャー誌という第三者からの反論を受け、それに対する科学的見地からの再反論は行われていないというのが現状であるらしい。しかも、あろうことか前出の帝京大教授はその後、警視庁科学捜査研究所の法医科長となり、立場上、公式なコメントが出来ない状態にある。再実験? 骨を全部使っちゃったんだって(Wikipedia北朝鮮による日本人拉致問題」参照)。


 勘違いして欲しくないのは、僕がこれをもって「あの遺骨はめぐみさん本人のものだ!」と言いたいのではないということだ。僕は今でも、あの遺骨は別人のものだと思っているし、先日英男さんが会見で漏らした「もしかしたら別人の骨が混じっちゃったかも」発言には思わず飲んでいたルイボスティを噴いてしまった。
 ただ、問題はこういった「限りなく黒に近いグレー」といった問題をマスコミが無批判に「黒」と言ってしまっている点にあるように思われる。その辺りに関して、「たかじんのそこまで言って委員会」なんかにそんな配慮は求めないけど、報道番組なんかではもっと慎重に発言しても良いような気がする。筑紫哲也さんがもっともらしい顔で「横田めぐみさんのものとされる遺骨が別人だった件で……」なんて言ったら馬鹿な僕はほいほい信じてしまうから。


 これに関連して、ちょっと前に書かれたアキトさんのエントリを思い出したのだが、ここで挙げられている「マスコミの報道を信用できなくなっている」という状態を僕は必ずしも悪いものだとは思わない。ある意味ではメディアリテラシーが高まっているという見方も出来るわけだから。
 マスコミの報道について「ほんとかよ〜」と思ってる人は昔からいたと思う。ただそれを確認する手段がなかったり、あるいは確認を取っても公表する手段がなかったりしたのではないかと。そういった意味ではブログなどの個人発信のメディアや2ちゃんねるのような大規模コミュニティが生まれていく中でそういったものの、発信あるいは広報といったものが簡単になっていったのかなと。もちろん、きっこのブログのようにどこのメディアも報じないようなことを書いているけれど、眉につばつけて読んだ方が良いようなものもあるし、そういった意味では前述のメディアリテラシー情報リテラシーが大事になってくるのかなと。バーボンハウスで済むくらいなら良いけど、そうでない場合もあるからね。どこぞの議員さんを見たら分かると思うけど。