カード詐欺を狙ってなんかいません。

 滞納していたサークル費を新歓費と同時に払うため、某大手銀行の駅前支店へゆく。支店とはいえ人はおらず、ATMがあるだけ。ドアの外から中を覗いてみると、見事に先約のおばちゃんがいる。中はあんまり広くないし、ドアに貼られた「カード詐欺に注意しましょう」みたいなポスターの隙間から覗くに中にはATMは1台しかない。
 このご時世だし、中に入られるのもおばちゃんが気持ち悪かろうと、ドアの外で携帯を取りだしいじいじやっているが、いつまで経ってもおばちゃんが終わらない。時計を見ると、10分ほど経過している。
 とはいえ、僕はどちらかというと気が長い質ではあるし、まぁ、いいかー、となおも携帯をいじいじしていると、ふと後ろから若い女性が「並んでおられるんですか?」と聞いてこられる。いや、普通に待ってるの分かるでしょ、と思いながら振り返ると、彼女は中を指さしている。おばちゃんが終わったのかと指の先を見るも、おばちゃんはなおも機械を相手に悪戦苦闘中。
 「いえ???」とリアクションに困っていると、彼女はそれを否定と取ったのか、「あれ動いてますよね?」と僕からはポスターで死角になって見えなかったもう1台のATMを指さし、中へ入っていかれる。ドアの前、立ちつくす僕……。んな、アホな。相当に恥ずかしかったですよ。

 せめてもの願いはおばちゃんが先に終わって、先の女性と並んでATMという赤っ恥丸出しなシチュエーションにならないことだったが、これは僕の神通力が通じたのか、あるいはおばちゃんがあまりにも機会が苦手だったのか*1、叶えられ、九死に一生を得たのだが(違、その女性が出てくるとき全くこちらに目をあわそうともせず、行ったのはやはり、僕を犯罪者だと思ったからだろうか……鬱々。

*1:9割9分後者