幼い子を連れて買い物するということ

 赤ちゃんとは泣くものである。それから、1,2年が経った子供もまだまだ赤ちゃんのようなものであり、それらがよく泣くものであろうことは、僕なんかにも容易に想像がつく。泣き出した子供はなかなか泣きやまないもので、それを一生懸命あやしている親に「静かにさせろ」と言うような真似は僕にはできないし、また、しようとも思わない。
 子育てがしにくい社会と言われているかしらないが、泣く子を連れた人に「静かにさせろ」、「(店から)出て行け」なんて言う人は滅多にいないだろうし、その程度の寛容さをもった社会ではあると思う。


 が、だ。寛容さとはつまり優しさであり、泣く子を連れた人はある意味、その「優しさ」に甘えているのである。そのこと自体を悪いと言っているのではない、ただ、そのことは自覚してほしいと思うのだ。


 「子供が小さいんだし、泣いててもしょうがねぇじゃん」なんて思わないでほしい。たとえ、小さかろうが、大きかろうが店の中で大声で泣かれたら迷惑なのだ。その迷惑さを顧みないまま、あるいは迷惑さに気づかないままに平然と買い物を続けられるとこちらもムッとしたりはするのだ。


 子供が泣き出したら、それが店内に響き渡るような大声だったら、せめてあやそうとしている努力くらいは見せてほしい。迷惑にならないように頑張ってるけど、泣きやみません、なら仕方ない、とも思うのだ。
 でも、そういった努力も何もせずに泣いた子を肩に抱き上げたままに平然と買い物を続けられると、何かおかしいんじゃないか、と思ってしまうのだ。その子の出してる声はあなたには聞こえないんですか? と問いたくもなるのだ。


 まして、両親ともに来ているのであれば、片方が子供を連れて踊り場などに退避してもいいと思うのだ。


 そんなことを考えるのは僕に寛容さがないからだろうか。