パンピーが来る2(11月11日の出来事)

 11日がまるまる休講だというのは先に書いたとおりですが、正真正銘紛う事なき自堕落学生な私は深夜2時から夕方4時まで14時間にも及ぶ惰眠をむさぼっておりました。とはいえ、土日は学祭で早起きだからその前に睡眠不足を解消しておこう、という計算もありました。
 さて、目を覚ました私はとりあえずベッドから起きあがり、洗面所で2,3度うがいをして覚醒、PCの電源を入れながら携帯電話のチェックをしました。すると、文芸研関係のフォルダにメールが一件。明日の集合時間とかかな、と思いながら開いてみると。

 
 某H女史から今日、試食会に場所を貸して頂けませんかみたいな感じの文章が。

 
 今日って今更、言われてもなぁと思いながら受信した時間を見ると、午前中11時を過ぎた頃だった。と、すると既に5時間は経っているわけで、それだけ返事がなければ、もう他に場所を確保しているだろうから、詫びのメールだけでも入れておくかと返事をすると、まだ場所が確保できていないとのこと。出来れば、今からでもお願いしたいとのこと。

 
 今からって言われてもなぁ、と伸びた髭を撫でながら雑然とした部屋に目をやる私。こんな状態の部屋に人を入れることは出来んだろう。つーか、床になのは転がってるし。

 
 丁重にお断り申し上げようかとも思ったのだけど、割と困っているみたいだし、前回片付けてからそう日にちも経っていないから、片付けるのもそれほど大変そうじゃないしで、OKを出す。どうやらまだ買い出しの途中らしく、来宅まではしばしの余裕があるようだ。兎にも角にも髭を剃り、なのはをクローゼット奥深くにしまい込み、ヤバげな本を隠す隠す。掃除機までかける気力はなかったから、フロアワイパー(?)でフローリングを軽く掃除して、準備完了。
 そういや人数聞いてなかったな、と今更思い出すも後の祭り。まぁ、そんなには来ないだろうと思いながら、チャイムが鳴るのを待つ。が、鳴ったのはチャイムではなく電話で、出てみるとMくんで、もうすぐ着きますとのこと。当日になって言い出してごめんね、とフォローを入れるのが彼らしいところで、非常に好感を覚えるところ。

 
 さて、1分としないうちにチャイムが鳴り、やってきたのはスーパーの袋を下げた女の子3人+Mくんの4人。後からKくんという男の子も合流するらしい。女の子の内、初めてなのはY女史1人だけだったので、つつがなく調理が始められる。とはいえ、一人暮らし用のキッチンなもので、同時に調理できるのはせいぜい2人が限度だから他の3人は暇になる。よって、Mくんと僕は夕方のニュースに目をやり、Y女史は僕に断って本棚を見ていたが、気に入った本が見つかったらしく、それを読んでいた。*1そうこうしているうちに、Kくんがやってくる。彼も初めて来る口なのだが、文芸サークルの常かやはり、本棚を物色し始める。西尾維新が割と揃ってることに驚いたり、乙一スニーカー文庫からも出していることに驚いていたりした彼だが、最終的にはO・ヘンリ辺りを手に読み始めたようだった。本を読むと大人しくなる辺りがありがたい。

 
 そうこうしている内に1回目の塩焼きそばが出来上がり、試食。まぁまぁの味。2回目を作ることになったのだが、同じ人ばかり作っても、と今回は男性陣のターン。とはいえ、キッチンに入れるのは2人が限度だから1人は休憩なわけで、僕とKくんが調理をすることに。僕は一人暮らし、自炊派だからある程度の基礎調理は出来るつもりだし、Kくんは焼き肉屋でバイトしているいわば、焼きのプロといえる……かもしれない*2。で、調理に取りかかったのだが、「じゃあ、まず野菜を入れて……」という言葉を聞いたKくんの顔つきが変わる。


(Kくん以下、K)「肉が先じゃないの?」
(Hさん以下、H)「火が通りにくいものからだから、まずは野菜から」
(K)「豚肉だし、生は恐いからまずは肉からでしょ」
(H)「うん、肉に火は十分に通すから、まずは野菜から。あまり、火を通しすぎると固くなるし」
(K)「うちの実家では何でも肉が先なんだけどなぁ。普通、そうじゃないの?」
(H)「普通は、野菜だと思うけど」
(K)「ほんとかなぁ」
(H)「じゃ、ネットで調べてみようか」
(K)「うん、そうしよう」

 
 その数分後、菜箸でフライパンの中をかき混ぜていた僕が見たのは肩を落として帰ってきたKくんの姿。


(K)「おかしいなぁ、肉が先だよねぇ」
(僕)「うーん、野菜だと思うけど」
(K)「……そっか」

 
 まぁ、肉が先か野菜が先かは料理にもよるんでしょうけどね。
 そんなこんなで第二陣も完成し、試食。これも味は悪くない。この段階で試食会は無事、終了。明日からの模擬店の成功を祈念して近くのお店で買ってきたコーラ*3で乾杯。その後、しばらくした後、お土産のチョコレート一袋をおいて、帰られましたとさ。準備時間が短かった割に決定的なボロを出さなかったのは割と良くできた方だと思う。Kくんが佐々木少年月姫の第2巻


真月譚 月姫(2) (電撃コミックス)

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 を微妙な目で見ていた他は特何もなかった……はずだったのだが、帰る段になってチョコの他にもう一つ置いて行かれるものがあることを知った。

 それは何とキムチ。何でもみんなの冷蔵庫にはもう余裕がないため、ここで保管して明日持ってきて欲しいとのこと。キムチは大嫌いなのだが1日くらいは良かろうと、了承。しかし、この決断を僕は次の日、猛烈に後悔することになる。(TO BE CONTINUED)

*1:ちなみにその本とは逢坂明の『京大式 ロジカルシンキング

*2:多分、違う

*3:といっても、ペプシやコカコーラではなく、ちょっと安物の怪しげなもの。「幸せコーラ」とか書いてあったが、ヤクは入ってなかったと思う。多分