出発後

 夕方とはいえ、暑い暑い。早くも溶け始める私。バスに乗って一息つくも、大学に着くと階段に次ぐ階段。それをやっとこ乗り越えて、六甲台キャンパス*1は第二学舎へ到着。さて、入るかと見てみると、電気ついてねぇよ……。もろに閉まってやがる。仕方ないと、掲示板(建物外にある)を見に行く。後期履修については例年通り。去年はミスをしたから今年は気をつけないと。後は集中講義の日程。どこだ、どこだー、と探してみると発見。

………は?

「西洋法史(集中講義)日程 8月9日(2〜4限)、8月10〜12、13(土)(1〜4限)、8月15〜18(1〜4限)」

 何と、国立大生最後のアドバンテージであるところの週休二日制まで崩されとる……。つーか、お盆と丸かぶりですやん。死ねるなぁ。
 これはちょっとショックで、私は思わず3回ほど確認してしまったのだけど、どうやら夢でも何でもなく現実らしいです。

 孤虎くん、会えるか分からないぜ

 さて、ショックにうちひしがれながら、とぼとぼと帰る私は、その途中、当初の目的であるところの「床屋に行く」を思い出しました。目的地に向かい歩き出す私、床屋の存在を示すあの「くるくる」がライトに照らされ回っています。それを見た私は立ち止まるとほっと息をつき、額の汗を拭いました。柔らかな風が通り抜けていきます。空を見上げると、月が明るく柔らかな光を放っていました。

 髪を切ろう、そして暑さに、集中講義に負けずに向かっていこう

 そう思った私が一歩踏み出すと、「くるくる」は止まっており、床屋の照明は営業用のそれから幾分か落とされた明るさになっていました。時計を見ると7時5分。閉店、したようです……。

 思えばあのとき、私が髭を剃ろうと思わなかったら、すべてのシャツにアイロンをかけようと思っていなかったら結末は大きく変わっていたでしょう。私は、取り返しのつかないミスを犯してしまったのでした……。

*1:最初に書いたときキャンパス名を間違えたのは内緒。