ゲームは小説や映画を越えることは出来ないか2

 何やら色々なところに波紋を広げちゃってるようで……。書いてる本人もビックリですが、もっとビックリしたのはアキトさんかもですね。驚かせちゃいました。

 それで、「ストーリー性=物語っぽさ」までは書いてましたね。この続きを書こうと思いますが、その前に一点補足。この「ストーリー性=物語っぽさ」というのはある程度普遍的に使えると考えていますが、ゲーム性とストーリー性を対極として置く考え方はゲームと小説・映画を比較する際の指標としてしか使えないと思います。「FFの方がテトリスより、自由度が高い。だから、テトリスの方がストーリー性は高い」というのは全く的はずれな意見でしょうし。
 孤虎さんの仰るようにゲームには様々な種類があるわけで、それを一緒くたに論じるのは乱暴なやり方なのですが、ゲームと小説・映画を比較する際、個々のゲームの種類について述べるのはあまりに煩雑ですし、そこまでの知識もありませんので、そうしてしまいました。反省点ですね。

 さて、「ストーリー性でゲームが小説などに勝つことはない」と結論づけたわけですが、これに対しては「いや、つまらん小説と比較した場合、面白いゲームの方が勝るだろ(大意)」という指摘もありますし、「そもそも映画や小説にストーリー性が備わっているのか(大意)」、「映画でも小説でもゲームでも、全体としては……だけどあの戦闘シーンがいいよね、とかあの台詞がいいよね、とかも評価の対象になると思う(大意)」という指摘もあるんですね。
 映画や小説のストーリー性に関する指摘については、「大体の場合において備わっているだろう」というのを前提にして論を組み立てちゃってるわけで、かなりクリティカルな部分なわけですが、どうなんでしょう(苦笑)。そうでない作品もあるかとは思いますが、ほとんどの小説・映画は筋というか、ストーリーがあると思いますが、しかし、僕は映画知らないしなぁ。自信ないですね、正直(汗)。

 あとの二つの指摘に関してですが、僕は「ストーリー性が高い」ということと、「その作品が素晴らしい」ということは等価ではないし、必ずしも相関関係があるわけではない、と考えています。だから、ストーリー性が高かろうが低かろうが、素晴らしいゲームはつまらない小説に勝るでしょうし、ストーリー的にはアレでも、そのシーンは印象に残った、だからその作品は素晴らしい、というのも有りだと思ってます。

 ここで、本題に戻りまして、「ゲームは小説や映画を越えることは出来ないか」ですが、僕は不可能ではないと思います。先に述べたように、ストーリー性と作品の評価には必ずしも相関関係があるわけではありません。つまり、ストーリー性に勝る映画が常にゲームより面白い、という結論は導き出せないわけですね。
 アキトさんが述べているように、(一般的には)物語としての完成度でゲームが勝ることは難しいでしょう。ですが、ゲームには臨場感、あるいは(何らかの形でゲームの展開に影響を与えたことによって生まれる)作品への感情移入など、映画や小説にはない、様々な利点があるわけです。それらを考慮すると、「ゲームの方が小説より面白い」ということ、「(ゲームの面白さが)映画の面白さを越える」ということはありうると思います。
 ただ、面白い、面白くないはとどのつまり感情論なわけで、「面白い」の指標が人によって違う以上、「絶対に○○の方が面白い!」と言う(立証する)ことは不可能ですけどね。

 と、まぁ、すごーくありきたりな結論になったわけですが(笑)、そもそもこの考察を書いたのはチャットでこういう話になったときに、映画派、ゲーム派両者の意見が微妙に食い違ってる感がぬぐえなかったので、そのすれ違いというか、ずれを少しでも修正できたらな、と思ったからなわけです。だから、着地点がある程度、予定調和的な位置なのは仕方ないかな、と思っています。はい。

 一応の所はこれで終わりですが、本題とは関係ないところでちょっと考えたこともあるので、それは明日以降に書こうかなと思っています。