ヘリオテロリズム Vol.1

 半分書いたまま、放置していた『ヘリオテロリズムVol.1』の感想、続き。

丼原ザ★ボンさん 『百億の秋に、千億の愛を』#2「赫い生殖」

 個人的問題作。これもなかなかよく分からないというか、うーん、難しいなぁ。感想らしい感想を持てないのは僕がこの物語を消化しきってないからだろうし、これから先も消化できるかどうかは怪しい。
 ただ、とても印象に残る作品ではある。とても、とても。

松本楽志さん 『時刻表』

 これはどうなんでしょう。色々な解釈は出来ると思うのですけど、僕の解釈だと、うーん、僕はあまり好きではないなぁ、このストーリーは。ストーリーは好きではないけど、作品が嫌いなわけではない。そこで描かれる狂気だとか恐怖だとかはゾクッとするほど黒く、暗く、そういうのは好きなのだけど、ただ、あまりに救いがない気もして……ハッピーエンドの方が好きな僕にはちょっとキツかったです。

曽良 圭さん 『輪唱ラヴソング』
 これは好き。青春ものラブストーリーは僕のストライクゾーンど真ん中にズバリと決まりました。が、いわゆる「純愛ストーリー」では無く、泣けるストーリーでも無いのだけど、彼らのあり方がひどく胸に残っている。
 しかし、最後に関しては微妙というのが正直な感想。

近田鳶迩さん 『キセキ』
 話の持って行き方だとか、盛り上げ方が巧く、どうなるのか、ドキドキしながら読んだ作品。オチとかはそれほど珍しいというわけでもないけれど、彼女のキャラクターや一人称主人公の語り口などが、とても楽しかったと思う。「キセキ」に関する考察の不備(?)は少し気になったけど、そこは彼女への絶対の信頼ということで。

鈴木知友さん 『落し物を届けに行こう』

 名探偵の落とし物を届けに行った子供達が事件に巻き込まれるお話。子供達のキャラの作り方は面白かったけど、件の名探偵氏がイマイチ分かりにくいというか、とりあえず「凄い」ということしか分からないというか、そんな感じだったので、彼を崇拝する少年らにいささか感情移入しにくかった。
 オチなんかはなかなか綺麗で、良いと思ったのだけど。