もういたのですね〜戸籍に関連して〜

 先日、フィンランドの教育について書いたとき、「子供が学校に行くことを義務でないようにすると、教育費を払うのが惜しいと、子供を学校に行かせない親が必ず出てくる(大意)」と書いたのだけど、既にそういったケースがあったということを知ってびっくり。しかも、こちらは出生届を出さずに、というより悪質なケースだ。


 経済的に苦しく…20年間戸籍なし逮捕され発覚 (夕刊フジ)


 「子供に教育を受けさせないこと」に対するハードルを下げる危険性があるから、前述のようなプランはなかなか導入できないんだよなぁと痛感させられた出来事でした。


 戸籍に関連してだが検索したところ以下のようなニュースを見つけた。


 <無戸籍>女子高生が旅券申請で要望 親の離婚事情で (毎日新聞)

 
 簡単に言うと、前夫との離婚から300日以内に現・夫の子供を出産したところ「(期間内に生まれた子供は)前夫の子と推定す」という民法の規定により、「前夫の子」と戸籍にのることが嫌だった母親が、出生を届けでずその為、旅券の発行が出来ないので何とかして欲しいと陳情した、というものだ。


 これに関してはフジテレビの「特ダネ」でも取り上げられていて、コメンテーターの方々も何とかこの親子を悪く言わないように努力している感がありありだったのだけど、どうしても「自業自得」という言葉がよぎってしまって、賛同は出来ない。そもそも記事にもあるように、「前夫との婚姻関係が継続中に子供をもうけた」のなら、それは一般的な道徳からしたらあまり良しとされるものではないし、「不倫による子供を特別に法が保護」ってのは、世論からしてもどうよ的な部分があるんじゃないかと思う。そもそも不貞行為じゃんよと。


 そもそもの問題は適正な手続きを取らなかったことで、こういったケースでは親子関係不存在確認の訴えを起こせばいいわけで、確かにいったんは子供が前夫の戸籍に入ったりといろいろ面倒な手続きは必要になる。また、前夫の協力がなければ調停自体が進まないケースもあろう*1。ただ、それは前述のような不貞行為を働いた妻の側で負担すべきリスクではないかと考える。こういった手続きの存在を知っていたかどうかは知らないが、「前夫の子となるのが嫌だから出生届を出さなかった」という我が儘が許される道理は無かろう。


 まぁ、そもそも言い出したきっかけが就職や進学、免許取得ならまだしも、「海外旅行に行きたいから」じゃねぇ〜という感もある。娘さんには同情するが、親の責任を取らなくちゃいけないのが子の定めであったりするケースもあるわけで、今回は仕方ないのかなと。


 今日の教訓。困ったことがあったら市の無料法律相談室などに相談すること。まる。

*1:あくまで「前夫と子が親子関係に無い」ことを証明するための手続きだから。