名コンビ

 


 とうとう買っちゃったよ。ティファール電気ケトル。もともとはタイガーの電気ポットを使っていたのだけど、2.2リットルものお湯を常時保温しておくのも効率悪いよなぁと思っていた。そもそも使わないときは徹底的に使わない為、一週間以上お湯を入れ替えてなかったりと衛生面がちょい気になったりもしていた。なので、クエン酸洗浄をした際、ポット内のステンレス部分にどうしても取れないサビが付着していたのもあり、購入を決意。せっかくだからと、ちょっと値は張るが温度調節レバーのある通販生活のものを購入することに。*1


 実際に使ってみての感想だが、かなり良い。最初こそプラスティック臭が気になったが、使っていくうちにどんどん薄まっていき、今では鼻を近づけないとしないくらいだ。沸騰するまでのスピードはCM通りかなり速く、インスタントスープ程度の量を沸かすくらいなら、スイッチを入れてスープの準備を終えるまでには当然のように沸いてしまっている。計ってみたところ、この機種の最大容量であるところの1リットルの水を沸騰させるまでにかかった時間は5分弱だった。一人暮らしでは1リットルなんてお湯を一度に使う機会はほとんどないわけで、500ml以下での利用がほとんどだから、実際の場面ではセットしてから2分弱で必要な量のお湯が手にはいることになる。これはありがたい。また、たとえ沸騰していなくても台からポットを持ち上げればスイッチは切れるので、ちょっと温かいくらいのお湯で十分な場合は、それこそあっというまに準備できてしまう。
 通販生活のモデルにするに辺り、パイロットランプがないことが唯一気がかりだったのだけど、この商品の場合、レバーの周りの透明の部分全体がランプになっていて、むしろこちらの方が見やすいような気がする。


 一方で弱点もある。一つは密閉されてないこと。倒れにくくはなっているものの、子供やペットが強くぶつかったりして倒れたら、お湯がこぼれてしまうような構造になっている。これ自体は仕方ないと思うが、小さいお子さんがいる家庭、猫などを飼っている家庭では注意が必要になろう。また、注ぎ口にもふたなどはないので、そこからほこりが入るのではと気になる人もいるかもしれない*2
 次に、定格1450wという消費電力の大きさもある意味では弱点といえる。これは、「電気代がかかる」ということではない。なにせ、あっという間に沸いてしまうから、電気代自体は電気ポットよりも安くなると思う。ただ、15Aもの電力を一度に使うので、電子レンジ・エアコンなどを同時使用しているアンペア数の小さい家庭ではブレーカーが落ちてしまう可能性*3がある。また、基本的にコンセントに直差しで使わねばならないので、そういった面を不便に感じる人もいるだろう。
 最後の弱点、これが一般家庭では一番問題になるかと思うが、保温性が全くない。密閉されているわけでも、魔法瓶なわけでもないから、お湯を放っておいたら冷める、という当然の現象が起こる。じゃあ、お茶を飲むたびに沸かさなくちゃいけないの? その通り。常時お湯がないと困る人は電気ポットの方が便利といえば便利かもしれない。


 それなら「沸かす機械」と「保温する容器」を別にしたらどうだろう……という考え方から生まれたのが上の写真のコンビだ。「電気で沸かして、魔法瓶で保温。これがトク○さん!」みたいなCMがあるが、まさにその状態。じゃあ、トク○さん買えよ、ということになるかもしれないが、トク○さん高いし、電気代こっちの方が安いし。
 試しに80度くらいのお湯を上のステンレスボトルで5時間保温してみたが、十分お茶を淹れられる温度だった。


 一人暮らしなどの場合、大抵お湯は朝夕それぞれ500mlくらいあれば良い。なので、電気ケトルで500ml沸かして、350mlをステンレスボトルで保温、残りはスープあるいは緑茶、としておいて朝夕それぞれの場面で使い切れば十分用は足せる。朝沸かしたのを夕方にもという場合は別だが、夕食後にお湯を沸かして一杯緑茶を飲んで、寝る前にもう一杯……くらいの間隔ならステンレスボトルが十分に保温してくれる。500mlじゃ足りないよーという人はサーモスのステンレスポットを買えば1リットルでも1.5リットルでも保温しておける。その方が電気代もかからずに済む。ちょっとした「エコ」気分にもなる。


 沸かしたてのお湯で淹れたお茶の方が、ずっとポットに入れっぱなしのお湯で入れたお茶よりも絶対に美味しい。また、電気ポットは「常時保温」という性質から、お手入れをするタイミングがつかめなかったり、面倒がったりで不衛生な状況に陥ってしまう危険性もある。その点、電気ケトルではお湯をそのままケトルに入れておくことはほとんど無いので、いつでもお手入れが出来る。また、実物を見ていただければ分かるが、口が大きくお手入れしやすいような形状になっており、樹脂製で非常に軽量なので、女性の方でも苦労せず内部の洗浄が出来るだろう。食品を扱うキッチン家電において衛生面は非常に重要だ。そういった意味で、電気ポットにお湯を入れるとき、そこここにこびりついた汚れから目を背けている人、底に出来たサビを見て見ぬ振りをしている人は今一度、「電気ケトル」という選択肢を考えてみるのもありではないだろうか。


 この製品は以下のような人にお勧めしたい。


・一人暮らしでお湯はそんなにいらない方
・同居しているおばあちゃん・おじいちゃんの部屋に一台あればいいなと思う方
・寝室、書斎でぱっとお茶が飲めたらいいなと思っているから
・電気ポットのお手入れをついサボりがちの方




 


 


 なお、当然のことながら浄水機能などはついていない。三菱レイヨン製のポット型浄水器(参考↓)で水を浄水しておくと紅茶を淹れるのに最適なまろやかな水か出来るかと思う。*4


 

*1:実はここに一つ誤算があって。通販生活の商品はコンビニで代金支払いすることになっていたので、クオカードを使おうと思っていたのだが、代行収納ではクオカードは使えないらしく、現金が予想より3000円ほど多く消えてしまった

*2:一応、ほこりが入りにくい設計にはなっているし、フィルターもある

*3:ただ、一人暮らしの僕の部屋でもエアコン・電子レンジとの同時使用でブレーカーが落ちるようなことはなかった

*4:市販のミネラルウォーターは水に含まれる酸素量が減っているため、茶葉のジャンピングが少なくなってしまうことから不向きとされる。また、ブリタのポット型浄水器は浄水時にミネラル分を付与してしまうため、硬水の使用は避けるべきとされている紅茶に関しては三菱レイヨンの製品より不向きだと考える