TVタックルを見た

 テレビの討論番組というのは論点は錯綜するし、人の話を聞かない輩はいるしで真面目に見ると疲れ、片手間に見ると煩いのであまり見ないのだが、今日はたまたま見てしまった。が、なかなか面白かった。
 なるほどと思ったのは三点ほどかな。


 一つめはライブドア事件に関してのハマコーさんの「彼(堀江氏)が刺客として衆院選で戦った亀井静香警察庁出身ですよ。そんなことされたのに黙ってるわけないじゃないですか。徹底的に調べさせますよ」というコメント。
 孫引きで申し訳ないのだが、極東ブログさんのライブドア事件に関するエントリによると、「東京地検特捜部は、(中略)昨年秋ごろ、極秘に捜査を本格化させた。(毎日新聞Web)」らしいから、この見方はなかなか面白いなと思う。
 今回の事件では「他のところも多かれ少なかれやってるのに何故、ライブドア?」といった意見や、前述の極東ブログさんのエントリのように国家権力の恣意的運用ではないかという見方もあるわけで、そういった意見と絡ませて亀井陰謀説を唱えてみるのも面白いやもしれぬ。まぁ、下手な人が唱えたら今度のはその人が強制捜査、となっちゃうかもれないけど(ならない、ならない)


 二つめは小林興起さんだったかが言ってたのだが、「日本(社会や日本人)から品格が失われているんじゃないか」という意見には、言っている本人に品があるかないかは別として、おおむね賛成したいと思っている*1
 それは、もちろん構造設計の偽装事件で一躍有名になったヒューザーの小嶋社長や、ホリエモンにも当てはまることだろうけど、それ以外にも、例えばそれを報じる(特に後者のライブドア事件)マスコミの姿勢だとか、そのマスコミに踊らされてるのかしれないけど、わんやわんやと出てきては、どう見てもそいつに責任はないだろう的な下っ端社員を気持ちよさそうに怒鳴りつける「被害者住民」、あるいはその脇で「私たちの生活を返してくださいっっ!」と恥も臆面もなく泣き叫ぶこれまた「被害者住民」を見ても到底、品があるとは言えない。
 衣食住足りて礼節を知ると言うから、「住」を失いつつある被害者の方々がそうなるのは仕方ないという見方もあるかもしれないが、公共の電波に乗せて叫ぶってのは渋谷のスクランブル交差点で叫ぶよりももっと恥ずかしいことなんだぜ? という意識が果たしてあるのかどうか。それをそのまま放映するマスコミもマスコミだけど、放映を許可する住民も住民だなと思った20の冬です。自分に子供がいるとしたら、大人が(直接的ではないけど)あんなに浅ましく「金をくれ」といってる姿なんか、見せたくないぞ。
 と、上のような例を持って他山の石と為すように、自分も気をつけていきたいなと、そう思う次第であります。


 三つめは驚いたことに田嶋陽子さん。ただのヒステリックなおばさんじゃなかったのだ。皇位継承問題について男系派の新しい教科書をつくる会の会長さんが「(男系を維持するために)民間に下った旧宮家のから男子を持ってくるなりすれば……」と言ったことに対して「でも、愛子様が生まれて(フィーバーとか起きて)国民はみんな愛子様を愛してると思うんだよね。そこに、外の家から連れてきてこの人が天皇です、ってなったときにみんな納得するかなぁ。天皇って(国民の象徴なんだから)愛されてる人がなるものじゃないの?」と言ったのは、なるほど、そういう見方もあるかと思わず納得した。
 僕は不謹慎な人間だから天皇が男だろうが女だろうが、まして男系だろうが女系だろうがどっちでも良いと思ってしまう人間だけど、よく分からない中年のおじさまが出てきて、愛子様(かその子供)からかっさらうように即位したら、何だかなぁと思ってしまうんだろうなとは思う。
 もちろん、文化やら伝統やらも大事かもしれないけれど、同じようなこと言って女性を土俵に上げない相撲は衰退著しいわけで、世論をうまく取り入れてほしいものだな、とは思う。そういった意味では桝添先生の「こういう問題は国会で議論すべきものではなくて、国民の総意が出来上がったところで、じゃあ、それを法律にしましょうかという形で出すべきだと思う」という意見は一理あるな、と思った。


 まぁ、全体的に見ればハマコー先生とかハマコー先生とかハマコー先生が議論はずれてるし、人の話は聞かないと言った、ディベート以前のことをやってるわけだけど、それはあの人のキャラだから、仕方ないと思うことにしよう。いや、実際、嫌いじゃないしね(笑)。

*1:こう書くと大体続きは「昔は良かった〜」的な文章になるのだろうが、残念なことに僕は昔の日本を知らないのでその辺りにはコメントしかねる。ただ、(少なくとも)現在、品格がないという意見に対してはその通りだと思う