六甲祭1日目(11月12日の出来事)

 集合時間は朝8時とのことで、寝坊しちゃいけないから早く寝なきゃ、早く寝なきゃと思いながら布団に潜る。…………眠れない。
 結局、そのまま夜を明かした後、勇気を出して暖かな毛布から抜け出し、コンビニへ。そうせねば朝ご飯が無かとですよ。お弁当を買ってきた後、眠気覚ましの珈琲を淹れ、一服。すっきり目を覚ました後、髭を剃ってキムチの入ったビニール袋を無印の紙袋に放り込んで家を出る。
 露店出す人でバス混むかなぁと思っていたら、そうでもなくて、座ることが出来る。ラッキー、と思っていたら大学に近づくに釣れ人は増え続け、阪急の駅を過ぎた頃にはバスは既に満杯の状態。改めて自らの幸運に感謝した……が何やら変な感覚が。何だろう、と思って息を吸った瞬間、分かった。キムチ臭だ。
 人が一杯のバスに広がっていくキムチ臭。いや、実際に広がっていったのかは分からない。持ち主である僕が一番その臭いを強く感じるのは当然だし、もしかしたら僕だけしか感じていなかったのかもしれない。しかし、これだけ強いと、もしかしたら他の人も??? とか思い、辺りを見回そうかと思いましたが、そんなことして下手に極右な感じの嫌韓流な方に目をつけられ、「バスに寄生虫付きの白菜持ち込んでんじゃねぇぞ、このチョンが」みたいに因縁をつけられるのも嫌だったので、クールにO・ヘンリを読むことに。満員電車でキムチ臭に包まれながら、『賢者の贈り物』……シュールだ。

 
 やっとのことで、着きましたは六甲台キャンパス。ここから、ひぃひぃ言いながら部室まで登っていくことになる。時計を見るに、時刻は7時57分。5分くらい遅刻のようだ。そう思いながら階段を登っていくと、Kくん、Iくんのペアとすれ違う。部室の鍵を取りに行っているところとのこと。着いていこうかと思ったけど、一刻も早く手にしたキムチをどうにかしたいのでやめておく。
 ひぃひぃ言いながら部室棟に着く。鍵は開いていないから、部室前の廊下に部員が、いっぱい……いない。何か4人しかいないぜ。鍵を取りに行った2人や、多分本部の方で色々やってるであろうHさんやらMくんやらを合わせても8人。つーか、1年生が2,3人しかいないわけだが(この辺があやふやな辺り、幽霊部員振りが伺われる。正直、1年生の名前は半分くらいしか分からない))。他はみんな遅刻ですか、そうですか。そう思って力が抜けた頃、取りに行ってた2人がやってきて解錠。その後、30分ほど部室でくつろいだ後、露店の準備に掛かる。

 
 露店の準備は基本的には力仕事。男性合唱部の唐揚げ屋とテントを共有するため、協力してテントを立てた後は、ガスのボンベやベンチや机、ブロックや椅子やコンロを運んできて、セッティングする。ついでに、美術班渾身の作品であるところの看板も貼り付けて、露店完成。ちょっと、半分より多くスペースを取ってる気もしたけど、ツッコミが入らなかったから良しとしよう。そうこうしている内に部員も集まりはじめ、早速、野菜を切ったりしはじめる。