アマゾンマーケットプレイスでの珍事

 いや、僕にとっては珍事で済むのだけど。相手方は大変だったろう。

 アマゾンと言えば、ネットでも有名なショッピングサイトであり、マーケットプレイスというのはそこに併設された中古(新品の場合もあるが)販売所みたいなものだ。そこは本も取り扱っており、棋書もそこそこ揃っている。送料が1点に付き340円かかるので、文庫やらノベルスやらだと新品で買った方が安いじゃん、ということになりかねないのだが、棋書だと定価が1300円くらいなので、半額で売ってあったとしても新品で買うより安く手に入れることが出来る。そのため、刊行されて時間が経ち、新品では手に入りにくいものはここで購入することがたまにある*1
 で、今回、こいつを注文してみたのである。

四間飛車を指しこなす本〈3〉 (最強将棋塾)

四間飛車を指しこなす本〈3〉 (最強将棋塾)

 この『四間飛車を指しこなす本』シリーズは既に1と2を購入しているのだけど、全3巻の内、最後のだけはまだ買っていなかったのだ。注文を受けた旨の返信が来て数日、ポストを見てみると本が到着している。早速空けようと思ったのだけど、これが思いの外丁寧に梱包されており、ちょっとやそっとじゃ開かず、やむをえんと封筒とエアクッションを一緒に鋏でバッサリ切ってわくわくしながら中身を取り出すと、これが何と『四間飛車を指しこなす本(2)』ではないか。

四間飛車を指しこなす本〈2〉 (最強将棋塾)

四間飛車を指しこなす本〈2〉 (最強将棋塾)

 慌てて注文メールなんかを確認すると僕は確かに(3)の方を注文していて、相手も(3)だと分かった上で確認メールを送ってきている。即ち、向こうの手違いなのだ。これで困ったのがこれがマーケットプレイスでの買い物であることだ。アマゾンでの買い物なら、カスタマセンターでちょこちょこ言ったら返信用の封筒とか送ってきてくれそうだが、何しろ今回の相手はアマゾンではなくもう少し小さめの事業者(あるいは個人)だ。たかだか400円で売った本のために

  1. 返信用の封筒、費用を送付
  2. 正規の商品を送付

 とか、やってたら儲けるどころか赤字だろう。それに、そんなことをされてもこちらも困ってしまう。何故なら、本を保護すべきエアクッションは十七分割された状態で、復元呪詛でもかけねばどうにもならないのだ。無限の剣製はおろか、投影すら出来ない僕ではどうしようもないわけで、つまりはエアクッションを買いに行かなくちゃいけないのだ*2。その手間、費用を考えると中古で買った儲けもかすむと言うものだ。
 困ったなぁ、と思いながら相手方に連絡すると、「本は処分されてください」とのこと。「正しい商品の方は明日発送します」と。やっぱり、上の手間を考えると、そうした方が良いと考えたのだろう。しかし、(2)は持っているわけで……どうしよう。一番有力な策は実家の父親に押しつける、なのだがしかし矢倉党に『四間飛車を指しこなす本(2)』を渡してもなぁ。(1)なら矢倉引き角が載ってるからまだ役に立つかもだけど、(2)は対、穴熊藤井システム基本編だから、振り飛車党に『8五飛を指してみる本』を渡すような感じで、凄く役に立たなそうなのが気が引けると言えば気が引ける。
 とはいえ、知り合いに振り飛車党はいないわけで。困った、困った。

*1:谷川浩司 『光速の寄せ』シリーズとか

*2:この辺りだけ無駄に月オタっぽい