突撃レポート、QB HOUSE

 駅前などに良くある、「10分1000円」を掲げるカット専門店、QB HOUSEに行って参りました。以下はそのレポートです

 さて、「10分1000円」とあるけれど常の理髪店でのカット時間は大体40分やそこらかかるわけで、4000円かかるんじゃ、そこらの床屋の方が安いじゃん、と思いながら公式サイトを見てみると、「10分を過ぎても1000円」とある。近所の床屋が3000円とか4000円とかかかるのと比べると数分の一である。安物買いの何とやら、という言葉もあるので、安かろう、悪かろうじゃないの? と思いながら公式サイトを見てみると、安いのには理由があるとか。

  1. シャンプーをしない*1
  2. シェービングもしない
  3. ブローもしない
  4. カット専門。パーマやカラーリングはごめんなさい

 上のようなものが主な理由だろうが、ようは「本格的なカットではなく“身だしなみを整える”程度のカットを想定しています」ということだろう。そういう客なら回転も速いし、来店回数も増えようから利益を上げることも可能になるだろう。

 さて、翻って私を見てみれば髪を3ヶ月くらい切ってないため、大変な伸び具合。鋏よりも芝刈り機を使った方が良いんじゃない? 的な伸び具合である。想定している客層から遠くかけ離れている。言うなればおばさま方を想定している市民体育館での3B体操にやってきたデューク更家風のおじさまみたいなものである。いや、別に良いんだけどね感があまりに強すぎる。

 とはいえ、その安さはあまりに魅力的。ええい、非難するなら非難せよ。スタッフの冷たい視線も、就業後交わされるであろう「あの客うざかったよね」という陰口も、すべて馬耳東風でいれば2000円近く儲かるのだ。そうだ、これは時給12000円のバイトを10分するのだ思えばいいんだ、と自分を納得させ、三宮駅は東口へGOGO!

 お店の前につくと、混み具合を報せるランプは黄色が点灯していた。店内にカットするためのユニットは3つ、それらのすべてが埋まりかつ待合い席には3人が座っている。なかなか繁盛しているようだ。店内に入ってから代金支払い用の機械に1000円を投入し、出てきたカードを受け取る。このお店、会計は前払いの機械式で、更に1000円札以外は受け付けないし、両替機もない。コスト削減のためだろうが、駅構内にあるのでお金を崩すことは出来るし、それほど気にならなかった。なお、店内にはトイレもない。僕が言った店舗の場合はすぐ近くに駅のトイレがあったのでアレだが、店員さんもトイレに行かねばだろうし、基本的にはトイレがある建物の近くで開業しているのではないかと推察される。
 さて、既にカットしてる客が3人に、待ってる客が更に3人。普通の床屋なら1時間近く待たされかねないこの状況だが、ここではどうだろう。時計を気にしながら待ってみる。壁にある「10分以上かかる髪型の場合は、申し訳ありませんが、お断りさせて頂く場合があります」とか書いてあったりして少しビビる。客の殆どはカッターシャツ姿のサラリーマン風の方々で、勤め人でないのは僕と、僕の一人前の短パン、アロハの白髪のおじさまだけっぽい。
 一人二人とカットが終わり、客が入れ替わっていくがその間にも細々と、しかし確実に客はやってくる。僕が帰る頃にはカット客3人+待ってる人5人、という状態だったから、やはり繁盛しているのだろう。
 さて、耳をそばだてて客の注文を聞いてみると、なるほどいかにも身だしなみを整えるといった感じの注文が多い。「この辺りが少し伸びてきたので」とか「少し短くしてください」とかそういった感じの頼み方が多いようだ。例の白髪のおじさまでさえ、「全部、バリカンで刈ってください。6mmで」という漢発言を残されていることだし、下手な注文の仕方は出来ないな、とちょっと緊張する。
 
 いよいよ俺のターン私の番である。待った時間はおよそ15分ほどで、ユニットに座ることが出来たのはやはり異例の早さと言えよう。どうされますか、との質問にとりあえず「全体的に短くして頂ければ……」と曖昧に答える私。下手なことを言って「それ、無理。帰れ。」と言われてはこれまで待った時間が無駄になってしまいます。「はい、それでは、スポーツ刈りみたいな感じで良いですか?」と聞かれ、思わず「はい、もう何でも良いです」と答える私。オタクは身なりなんかに気をつかわんのだよ。見れる髪型をしてればいいの*2
 さて、カットが始まると同時にストップウォッチを走らせ始める。このカットハウスの地味な利点は店員がカット中に話しかけてないことにある。敬愛するweb作家さんであるところのネコタ班猫さん書いておられるけど、こういった場所で自分のついて行けないトークを展開されることほど苦しいものはないわけで、某整骨院の先生のような話ならまだしも、オサレな美容院のオサレトークには私はとてもついていけんのですよ。そういった意味では非常にありがたかったやも。

 結局、かかった時間は13分で、仕上がりにも特に問題はなく、終了しました。櫛は再生紙を使ったものとのことで、使い捨てにしているので、客の要望があればくださるとのことです。楽しみにしていたエアウォッシャーはやはり掃除機みたいなもので、カットした髪を全部吸い取ってくれたかは疑問だけど、それはシャンプーでも生じる問題なので特にツッコミははいれないことにする。

 とりあえず、全体的な感想を書くならば、安い割には良くやってくれた、ということ。少なくとも他の理容店より仕上がりが3倍荒いとかそういうことはありませんでした。ただ、良くも悪くもカット専門です故、シェービング辺りを望む人は別のお店に行かれた方が良いようです。個人的には割と満足していて、店員さんに嫌われないように2ヶ月に1回くらいのペースで通っても良いかなぁ、なんて思いました。

*1:カットした髪に関してはエアウォッシャーという掃除機みたいな機構のもので除去してくれます

*2:髪型以外がとても鑑賞に堪えうるものではない、という話もある