『舞-HiME』感想。

 公式ページには「恋と友情とバトル」みたいな感じで書いてありましたが、後半8話くらいしか見てない私は普通のバトルものとして見ておりました。
 こういう不真面目な鑑賞態度からも分かるとおり、設定自体良くは理解しておりません。まず、前半のオーファンだとかの部分はほとんど見てませんし、水色髪の少年が何者だとか、理事長さんの正体とか、そんなものは殆ど分からないのですが、それほど重要なことでも無いようなので、良しとしましょう(オイ。

 (以下、ネタバレ有)

 さて、このお話のポイントを抑えておくと、

・HiMEと呼ばれる女の子達は「チャイルド」という使い魔ちっくなものを使える。
・その力の源は大切な人を想う心……らしい
・チャイルドが倒されると、そのHiMEの思い人は消滅してしまう。

という、設定の元

・水色髪の少年は悪役。
・彼は「黒耀の君」とかいう恐怖の大王ちっくなものの部下らしい。
・彼らの目的はHiME達を戦わせることらしい。

てな風なことになっていて

・彼らの策略により、ものの見事にHiMEバトル勃発

ということになります。

(ここまで)

 こういったバトルものでは初期設定が結構大事なわけで、Fateなんかはその辺り、上手いなぁと思ったのだけど、この作品もベタとはいえ、まぁ、悪くない。出てくる女の子も多士済々、これだけ出せば、一人ぐらい気に入るのがいるだろう的な意図が見えるような気もしますが、玖我なつき辺りは格好良くて素敵でしたわよ、ええ。
 バトル自体は時々、逃げるしか能のないやつとか、瞬殺されちまう圧倒的に弱いやつとかいて、それはどうよ、とか思ったわけですが、それ以外はなかなか、良かったり。サンライズだし、メカニックは悪くないと思った。

 問題はね、オチなのよ、オチ。最終回でずっこけましたよ、私は。何ですか、あのヌルいオチは。
(以下、激しくネタバレ)

 バトルが進むにつれ、HiMEが負ける、即ち彼女の想い人が消滅する、という事態が多発するようになる。それは物語に良い緊張感を与えていて、特に雪之が敗れた際の、遥の散り際だとか、詩穂vs舞の戦いのやるせなさだとか、碧先生の格好良さだとか、我らがなつき嬢の最終回での「私は多分生き残れないだろうから」といった名ぜりふなんかを生んだりしたわけですが……

 全員、生き返るだと!! しかも何だ、「ごめんね」で許しちゃって、仲直り? クライマックスは広場でピクニック!!??

 おまえら、そこに正座しろっ!!

 萌えアニメだし、ヌルくなるのは仕方ないさ。セ−ラームーンだって全員生き返ったんだ、視聴者の要望に云々で仕方ないかもしれない。でも、ピクニックはないだろ、ピクニックは。

 生き返ったんだし、良いじゃん、って違うだろ。隣に座ってるのは(たとえ想い人が生き返ったにしろ)戦ったときに「相手の想い人は消えるんだ」と知りつつ、それでもチャイルドを殺ったやつだぞ。自分の一番大切なものを踏みにじった、踏みにじっても構わないと思った相手と、どうして談笑できるんだ? ピクニック出来るんだ?

 あれから数年――とかいうならまだ分かる。その間に色々あったんだなぁ、とか思えるさ。でも、決着ついてからそう長くは経ってないみたいだぞ。
 そもそも、京都弁のねーちゃんの謝罪は半分近くギャグだったぞ。それで許せるのかよ……

 その辺りが、とてつもなく気持ち悪かった。不自然というよりも、ただ、気持ち悪かった。それが残念。
(ここまで)
 まぁ、そんな感じで、僕の中では最終回ですべてが台無しになってしまった作品でありましたが、中程は悪くないし、単一ヒロイン攻略になるであろう、ゲーム版は良さそうなんだよなぁ、原画もアニメより好きだし。CMも格好いいんだよなぁー。うーむ。