犬の散歩

 実家では柴犬系ミックスを飼っているのですが、帰省中ということで度々、散歩に行きます。1週間に3日から4日が僕の担当で、10時に起きて顔洗って、新聞読んで大体、11時くらいに家を出るのが散歩に行く日の日常です。 帰ってくるとちょうどお昼ご飯な時間帯に、空腹を誤魔化しつつ行くのですが、この時間帯に行くと、犬連れで散歩している人はほとんどおらず、道がかち合って、うなり声、なんて事態がないので精神的にかなり楽だったりします。

 さて、そんなこんなな毎日なのですが、ある日、寝坊して午前中にいけず、夕方に行く日がありました。夕方と言えば、そこら中に犬、犬、犬、正直、勘弁したい時間帯だったのですが、やむを得ない。暗くなって、寒くなるのも嫌だしと、愛用のポータブルMDを片手に出かけましたが、やはり事件は起こりました。
 それは、散歩を終えた帰り道。十字路で、南側から僕、北側からオヤジおじさま with コリー(シェットランドシープドッグにしては大きかったし、多分そう)。とはいえ、こちらはその交差点までまだ20m近くあって、向こうはその十字路まで数m。まぁ、普通に歩けばかぶらないのですが、何故か十字路前で立ち止まるオヤジおじさま。
 何がしたいのか分からない。昔、近所にシェットランドシープドッグを飼っているおじいさんがいて、公園の椅子やら何やらで散歩中に寝ておられたのをみたことはあるが*1、それとは違うっぽい。少なくとも起きてるし、こちらの姿を認めている。
 だったら避ければいいものを、連れのマーキング中に足を止めてみてみると、わずかながらこちらに近づいているように見える。よくよく見ると、コリーはこちらに向けて、猛ダッシュをかけている模様。それを止めようとするオヤジおじさまは、リードをかなり短くしてほとんど抱き留めるような状態である。
 が、全体としてみれば、そのコリーとオヤジ*2はこちらに近づいているようで、どうもあのオヤジ、飼い犬より非力らしい。
 いや、問題はそんなことじゃなくて、このままでは我々とあのコリーはかち合ってしまう。あのオヤジにコリーの抑止は期待できず、万一飛びかかられたとき、なおも猛ダッシュを続ける元気なコリーと、齢10にもなる我が愛犬では勝負にならんだろうし、何ともなれば蹴り飛ばすことすら辞さない似非動物愛護家の僕とて、飼い主の前で飼い犬を思いっきりインステップキックというのはいささか躊躇われる。
 どうしようかと思ったけれど、オヤジが十字路手前で何とか踏ん張り、そのまま上に乗るような形でとどまったので、そっちに行っても良かろう、と歩いていきました。十字路に入ってから、東側に曲がり、十分な距離をとるまでの十数秒、わずかに緊張していたりしたのですが、すれ違う瞬間、苦虫を108個はかみつぶした顔でオヤジは一言、「ひもを短く持たんか!」と怒鳴りつけてくれました。
 僕はリードの長さは基本的に買ったときのまんま、持つときも普通。車とすれ違ったり、狭い道で犬とすれ違うときには短くしたり、リードを持った腕を上げたり*3して長さを調節しているのですが、このときは道幅も十分に広かったし、こちらの連れからはコリーに向かっていく様子はなかったしで、ちょっとだけ腕を高めにしただけだったんですね。
 もちろん、それでも普通に接触は避けられる長さでしたし、何も起こるわけないのですが、オヤジとしては「俺はこんなに短くして抱くような格好になってるのに、お前はなに普通な感じで楽に歩いてるんだよ」とか思っていたのでしょう。
 まぁ、抱きかかえるような感じに前屈みだったからこそ、あそこまでコリーに引きずられたのでしょうが、オヤジのあまりにあまりな親切にポカーン状態だったので、教えることもなく、その場を離れてしまいました。もちろん、リードの長さは短くしたりせず、そのままで

 それにしても、前に引こうとする犬の引きと真っ正面から受けて立つ後ろの引き(←犬・人→)で対抗するより、犬の引きをいなすようにして、上に引いた方が(←犬・人↑)犬がダッシュをするための稼働域も減るし、良いと思うんだけどなぁ。
 
 この辺りは、物理が得意な人にパスしよう。

*1:ベタな話だが、初めて見たときには永眠されているのかと思ってビビった小5の夏

*2:取消線つけるのめんどくなった

*3:結果的に連れの稼働域が狭くなる